コンソールテーブル(チェリー)

コンソールテーブル作りを知り合いに頼まれました。
最初聞いたときは「えっ!?・・何、それ?」という状態でした。

調べたところコンソールテーブルとは、横に細長いテーブルでリビングや玄関に置いて彫刻、置き時計、花瓶などを乗せて室内装飾や客人のおもてなしに使われるものとのことです。後ろの壁に鏡を置いてる場合もあります。つまり、おしゃれな飾り用テーブル。

依頼した人とメールでイメージをやり取りして、何回かのやりとりで次の図のイメージになりました。
簡単な3Dモデルの図面ですが、これを作ると依頼された方とのイメージ合わせがうまくいきます。使ったソフトはSketcuUpという簡易的な3D CADソフトです。

そして完成したのが次です。奥行き300mm, 幅630mm, 高さ700mm
使用した材はブラックチェリー。仕上げは前回の譜面整理棚と同じく、オスモカラー、ノーマルクリア。
ブラックチェリーは時間とともに色合いが濃くなりかなり味わいのある風味が出てきます。こちらの小引き出しもブラックチェリーを使ってます。

すっきりとしたスタイルにするために脚が長く、奥行きを狭く横に長くして、脚の下方に貫(横棒)を持たない形にしました。

引き出しは側板と前板をアリ組で固定し、前板の下部に溝を切り取手にしています。両手の指を溝に差し込むと取手になる形です。引き出しの側板、奥板、底板全てヒノキの柾目板を使ってます。

脚上部にカマチ組みの箱を作り、この上に天板を駒留めで固定しています。

依頼者の要望により、天板の角は子供が頭などを当てても危なくないように丸く作り、斜めに縁取りをしました。

 

このような脚が長いテーブルを作る場合、上部のカマチ組み部分で強度を持たせる必要があります。
横巾が広いので長手方向の桟は細くなります。時間が経つと無垢材の細い桟は歪む可能性があります。この歪みを抑えるために上下の長手桟とも広がらず、かつ縮まないように前と奥とにアリ組みで固定(開き止め)しています。下の中央部分に見える桟がこれです。

下の桟の両端には引き出しがスムーズに引き出せるように摺り(すり)桟(=この上端で引き出しの側板が滑っていく桟)を付け、その外側には引き出しを出し入れする時に左右に動くのを抑える振れ止めをつけてます。
また上の桟には出し入れ時の上下動を抑える煽り止め(あおりどめ)をつけました。
上の桟の煽り止めには中央に穴を儲けています。天板を駒留めするときに使う穴です。

奥行きが狭く、横幅が広い引き出しを作る場合、これらの桟をきっちり作らないとスムーズな動きにはなりません。
さらに奥には引き出しを押し込んだ時の位置決め用に当たり止めを付けています。

これらの桟のほとんどは引き出しの動きをスムーズにする目的の他にカマチ部分の強度を上げるのも担ってます。

後ろ側の鏡板には焼印を押しています。(^-^)

 

完成後お宅に持ち込んで玄関に置き花瓶を飾ってみました。白い壁とフローリングですっきりした玄関にオシャレにマッチしています。依頼した人も喜んでいました。

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